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2007年12月19日 (水)

8−9 外国人労働者

 パブル経済華やかなりし頃、きつい・汚い・危険を略した3Kという言葉がありました。好景気により3Kである単純労働は敬遠されて、労働力不足が声高に叫ばれました。それを解消するために、外国人労働者受け入れを経済界などが強く主張しました。今でも、景気が回復すると、賃金上昇をきらって、外国人労働者受け入れが主張されるのがパターンになっています。
 日本で外国人労働者が全体に占める割合は1%くらいです。他の先進国と比べて低い水準です。イタリア、イギリスが4%程度、フランスが6%程度、ドイツが9%程度、アメリカが13%程度です。過去に外国人労働者や移民を積極的に受け入れた国は、現在も外国人労働者の比率が高い傾向にあります。一口に外国人労働者といっても、技術者などの専門性を有する労働者と単純労働者とでは扱いが異なります。多くの国で専門的な労働者は積極的に受け入れられています。他方、近年では単純労働者の受け入れには、各国ともに厳しい規制をしいています。
 フランス、イギリスなどの旧宗主国には、経済的結びつきから旧植民地出身の外国人労働者が多く存在します。ドイツは、英仏のように広い植民を歴史的に有していたわけではありませんが、より高い外国人労働者比率です。第二次大戦後、ドイツは目覚ましい経済復興を遂げました。その過程で労働力が不足したため、ドイツ政府は外国政府と提携して、労働力確保に努めました。特に、トルコから多数の単純労働者がやってきました。しかし、オイルショック後の景気低迷で人手があまるようになり、ドイツ政府はトルコ人をはじめとする外国人労働者の帰国を奨励するようになりました。しかし、外国人労働者はモノではありません。彼らも労働者である前に人です。長期で働く間には当然、家族を呼び寄せることもありますし、定住を希望する人もいます。帰国奨励ははかばかしい成果をあげませんでした。さらに、東西ドイツ統一後は旧東ドイツ地域で高い失業率が続くようになり、外国人労働者が雇用を奪っているとの見方がされるようになりました。イスラム文化への反感や排外主義も加わり、若者による外国人襲撃が頻発するまでになりました。
 日本には約80万人の外国人労働者がいると推計されています。低賃金で働きたいという供給も働かせたいという需要も十分にあります。しかし、生活環境整備や教育環境整備など、単純労働受け入れの社会的コストは決して低くありません。安易な受け入れはドイツのように必ず失敗します。日本政府もそれは理解しているので、原則として単純労働受け入れを認めていません。しかし、外国人研修制度という抜け道があります。技術移転という制度理念は素晴らしいのですが、外国人研修制度は悪用されているのが実体です。外国人労働者を受け入れるとは、その家族を受け入れることであり、異文化コミュニティを認めることです。受け入れるなら時間をかけることが必要です。また、日本語教育などに必要な予算を自治体はしっかりと確保すべきです。それが無理なら止めるのが賢明です。

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