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2007年12月26日 (水)

9−6 まちづくり

 まちづくりは地方選挙では必ず掲げられるテーマです。プランは色々出てきますが、プランを実現したまちづくりは、ほとんどありません。多くの場合、プランに対して大枠では賛成が得られるものの、具体的なレベルになると個人の生活と絡むため、なかなか実現しません。社会全体の利益を増やすのに、一部の犠牲が伴いがちなことがプランが現実化しない理由です。そのため、不幸にも災害が発生し、一からまちづくりをする機会が訪れた場合の方が、まちづくりはうまく進むことがあります。災害を契機に、住民の側に連帯して困難に立ち向かう姿勢が育まれる面もプラスに働きます。反対に、気候が温和で災害の少ない街は、社会的合意を形成するきかっけが少ないので、まちづくりは総じて進みづらいようです。
 同じ一からのまちづくりでも、筑波や幕張など、人工都市の建設は簡単にはうまく行きません。建設当初は生活感のない、無味乾燥な街になりがちです。街とは人の営みが積み重なって形成されるものです。優秀な建築家やプランナーが机の前で知恵をしぼっても、うまくいかないのは当然です。海浜幕張に行くたびに、なぜこんなに無味乾燥な街を建設したのかと不思議になります。人工都市を建設する場合は、既に存在する潤いある街をまねて造った方が、よっぽど失敗がないのではないかと考えます。
 日本でも京都など古い街は美しい街並を保持しています。伝統の力でしょう。でも、実際に住んでみると機能的でなかったり、経済的でなかったりすることがあるそうです。このあたりが街づくりの難しいところです。そんな中、パリやロンドンなどは街並みと機能性をうまくバランスさせている街だと思います。しかし、だからと言って、普通の街がパリやローマを目指してみてもうまく行きません。歴史や規模を考慮し、身の丈にあった街作りを進めるのが一番です。首長や一部のプランナーのアイデアをベースにするのでなく、住民利便を第一に考え、時間をかけて進めて行けば、だんだんと住み良い街並みに近づきます。奇抜な発想も冒険的事業もまちづくりには不要です。
 道路、交通網、通信網などのインフラ整備はお金と時間をかければ進みます。効率的運用のためには、PFIなど民間資金の導入や、公設民営などの手法も有効です。ハードはなんとかなりますが、問題はまちづくりのソフトです。理想は昔の町内会のようなコミュニティが復活することでしょう。でも、ライフスタイルの違う現在に、昔のような町内会の復活は難しいと思います。また、高齢化に伴い、老人クラブのような高齢者コミュニティに期待がかかりますが、高齢者は自立性が高いのでこちらも難しそうです。他方、少子化が進んでいるとはいえ、こどものいる世帯では暮らしの中心はこどもです。しがたって、こどもを中心としたコミュニティなら、今でも社会的に拡大余地はありそうです。期待し過ぎることなく、こどもを中心とする地域コミュニティの形成に取り組むのが、住み良いまちづくりにはプラスだと考えます。

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