« 6-2 朝鮮半島 | トップページ | 6-4 アジア »

2007年11月23日 (金)

6-3 中国 

 中国は人口13億人の巨大な国です。近年は目覚ましい経済成長が世界から注目されています。国際機関の統計によれば、既に世界第6位の経済規模であり、日本の4割に達しています。人口は日本の10倍以上ですので、一人当たりGDPが日本の1/10になるだけで、同じ経済規模になります。現在の成長率が続けば、計算上は20年程度で日本と同じくらいの経済規模に達します。
 中華人民共和国は第二次大戦後の内戦を経て、1949年に建国されました。現在までのおよそ60年のうち、後半30年で市場経済化を進めました。前半30年は社会主義制度を取り、その結果うまく経済が回りませんでした。経済制度は変わりましたが、政治では一貫して共産党のみによる一党政治がなされています。憲法により共産党が唯一の政権党と決められています。経済は相当程度、自由化しましたが、中国では政治は自由化されていません。また、言論の自由も政治的分野などでは制限されています。
 社会主義経済時代の終わりに、文化大革命と呼ばれる大規模な権力闘争がありました。現在も天安門広場に大きな肖像画が飾られている毛沢東が、自身の政治的復権のために起こした運動でした。最初は政治運動でしたが、次第に学生など一般国民による暴力的社会運動と化し、経済人や知識人が国民から弾圧されました。また、文化遺産の破壊なども行われました。文化大革命により、何百万人以上もの犠牲者が出たといわれています。これにより毛沢東派は権力を手中に治めましたが、毛沢東の死により、再び毛沢東派は権力の座を追われました。欧米や日本と違い、中国では一般国民も政治運動の中心になります。そして、一夜でシロがクロに転じます。中国では政治が社会に決定的な影響を及ぼします。現在の改革開放路線も92年の鄧小平による政治声明を契機に一気に加速しました。
 したがって、政治の変化により経済などの政策が大きく転換する可能性は常にあります。区域や都市を限定して経済成長策をとってきたことなどから、貧富の格差は地域により歴然としています。また、工業化の影として環境破壊が急速に進んでいるとの報告もあります。少数民族は人口の一割も占めませんが、それでも一億に迫るものであり、国内民族問題は決して小さくはありません。これら何らかの原因に対処するため、天安門事件のように政治の舵取りが変更される可能性はあるでしょう。これまでの中国の発展は、安い労働力と外資導入による工場や設備の蓄積におうところが大です。技術進歩による真の意味での経済成長モデルは、まだ始まったばかりです。この段階で政治の舵取りが変わると、経済成長も鈍る可能性があります。
 戦前の上海は東洋一の金融都市でした。古くは、2000年前の製鉄生産は西洋の産業革命前夜の水準に達していました。成長と停滞が繰り返すのが中国史の特徴です。長い間の経済成長を支えるのは、政治的安定と資本主義的な勤労精神です。国土や人口など多くの点で恵まれている中国が発展を続けるかどうかは、この二つにかかっているでしょう。

« 6-2 朝鮮半島 | トップページ | 6-4 アジア »

「経済・政治・国際」カテゴリの記事