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2007年11月21日 (水)

6-1 アメリカ

アメリカは超大国です。日本は経済大国ですし、中国やインドは人口大国、ロシアは保有核兵器数からすると未だに軍事大国ですが、アメリカはすべての分野で大国たる超大国です。
 アメリカの特徴は歴史の浅い人工国家である点でしょう。ヨーロッパやアジアの国々のように、伝統ある社会がベースとなって、その上に近代国家が成り立っているわけではありません。アメリカは古代や中世といった時代を経ることなく、ほとんど突然に近代国家として誕生しました。世界ではじめて成文憲法を持った国家であり、憲法により国家と国民とが社会契約した人工国家です。シンプルに社会=国家という構造です。そして、この社会=国家は独立戦争の硝煙の中から生まれました。
 どの国家も安全保障を重視しますが、とりわけアメリカにその傾向が強いのは生い立ちにもよります。開拓民が民兵となって、イギリス軍を破ったのが独立戦争でした。その影響で、アメリカを防衛することを目的として、人民が武装する権利が憲法に定められています。これが合衆国憲法修正第二条「人民の武装権」です。同時に、銃社会アメリカの根拠であり、銃規制が進まない法的理由です。アメリカの安全保障を数字で眺めてみると、アメリカの公的機関の統計でも、民間の研究機関の統計でも、アメリカの軍事費が世界全体の軍事費の半分に達します。
 数字を少し並べますと、アメリカは3億人の人口を擁する国家であり、世界三位に位置します。そのうち白人が3/4を占めます。プロテスタントが人口のおよそ半分で、キリスト教徒全体では人口の3/4を占めます。人種のるつぼとかサラダボールとか言われますが、マジョリティを占めるのは白人であり、キリスト教徒です。キリスト教徒でも右派と呼ばれる集団には、聖書の字句をそのままの形で信じて、進化論を認めないファンダメンタリストと呼ばれる人々がいます。彼らは有力な共和党支持者であり、みのがせない政治勢力です。
 経済でもアメリカは世界一の大国です。世界GDPの三割を占め、EU全体と同じ規模に達します。ちなみに日本は一割強です。アメリカ経済の特徴は、自由競争であり、民間主体であることでしょう。社会保障でも民間主体の考えは貫かれています。医療保険すら民間の保険会社が中心であるため、数千万人が医療保険に加入できていません。日本のように国民すべてが医療保険に強制加入している社会とは大きく異なります。医療費が払いきれずに破産した人が数百万人を超えるとの推計もあるほどです。
 日本人はアメリカが好きであると同時に嫌いでもあるでしょう。古くは、関東大震災後に米軍の大規模援助で親米が増加しました。ただし、翌年のいわゆる排日移民法で反米が増加したことも有名です。第二次大戦に敗れた後、アメリカ文化に憧れたのも愛憎半ばする姿に映ります
 アメリカは超大国です。世界のすべての小国はアメリカに従います。安全保障上、最も危険が少ない合理的選択です。戦後日本はずっと小国と同じ選択をしてきました。

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