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2007年11月 5日 (月)

4-5 省庁の再編

 世紀が変わった01年1月に中央省庁が再編されました。明治維新、戦後以来の改革とうたわれました。大きなポイントは二つです。省庁を大くくりにしたことと縦割り行政を改めようとしたことです。省庁再編まで一府二十二省庁だったのが、再編後は一府十二省庁に変更されました。また、省庁ごとの縦割り行政を防止するために調整制度が設けられました。
 議論が本格的にスタートしてから再編が終わるまで5年近くを要しました。日本社会では会社や組織は生活共同体ですので、企業合併であれ省庁再編であれ、組織変更は所属する人々にとって、おおごとです。特に、省庁は法律によって設置され、権限が定められていますので、法律が見直され再編されることは活動の根本に関わります。したがって、霞ヶ関の官僚にとって省庁再編は非常に大きな事件でした。再編を検討する機関の委員に働きかけたり、国会議員に根回ししたりの連続でした。
 銀行が合併しても、特段、サービスが向上することはありません。利用者がメリットを実感することもあまりないでしょう。それと同じで、政府が大改革と宣伝した割に、省庁再編は国民生活とほとんど無関係でした。大くくりになった省庁でも、組織や予算は再編前の省庁単位で運用されています。省庁トップも合併した組織ごとに順送りで就くのが一般的です。また、省庁間の政策を調整する制度が出来たにもかかわらず、相変わらず縦割り行政は続いています。器は変わりましたが、中身はほとんど一緒です。
 省庁再編の唯一の成果は、省庁再編を実施したという事実であり、経験です。既存省庁の枠組みは、官僚の考え方と行動の出発点であり、当然の前提でした。それが再編により、省庁の枠組も変更可能な普通の制度であることが明らかになりました。また、これまで省庁ごとにバラバラだった内部組織の設置規則が統一されました。中央省庁全体が、約百の局と約千の課からなる組み合わせ可能なパズルになりました。したがって、再々編は再編よりもずっと容易に出来ます。省庁再編は日本では世紀に一度の大改革でしたが、諸外国ではしばしば実施されます。フランスでは内閣が大幅に変わった際に実施される程度の行事です。実施日になって省庁の看板が変わってないこともあるくらいの関心事です。
 最近でも、情報通信省構想などが政府や与党の関係者から発言されます。どんな枠組みも完璧ではなく、それぞれ長所と短所があります。ですので、フランスのようにその時々の内閣の方針に合致した省庁制度を柔軟に試してみるのが実利的だと考えます。省庁の枠組みは国民生活に直結するわけではありませんので、長期で再編議論をする必要もないでしょう。議論されることが多い、縦割りや二重行政すら、政策競争につながり、行政パフォーマンスが上がるのであれば目くじら立てる必要はありません。組織はいつのまにか維持そのものが目的になることがあります。であれば、行政組織全体を効率化する意味でも、柔軟に省庁を再編する慣例があってよいと考えます。

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