« 6-1 アメリカ | トップページ | 6-3 中国  »

2007年11月22日 (木)

6-2 朝鮮半島

 朝鮮半島はユーラシア大陸の東に位置する半島です。半島ですので三方を海に囲まれています。朝鮮半島には12世紀には元が攻めて来て、16世紀には豊臣秀吉が攻めて来て、17世紀には清が攻めてきました。19世紀にはロシア、清、日本が覇権を争い、20世紀前半は日本の植民地だった期間がありました。今でも、ロシア、中国、日本といった大きな国に囲まれています。大きな国の狭間で生き抜くのは容易なことではありません。他方、ロシア、中国、日本のそれぞれからすると朝鮮半島に独立の主権が確保されていることは、緩衝地帯が存在することであり、安定的で好ましいことです。
 朝鮮半島の人口は七千万超と言われています。日本の6割くらいです。そこに、大韓民国と北朝鮮が存在します。大韓民国のGDPは日本の近畿地方くらいです。北朝鮮のGDPは沖縄県のGDPより小さいと推計されています。沖縄のGDPは都道府県でも小さい部類です。仮に、小さい県が重税を課し、ミサイル開発をすれば、民間経済が圧迫されるのは当たり前でしょう。大韓民国と北朝鮮は北緯38度付近にある軍事境界線をはさんで対峙しています。軍事境界線は南北4キロの幅であり、ほとんどの地域で地雷がびっしりと敷き詰められています。人が立ち入ることがないので、野鳥の楽園と化しているそうです。
 朝鮮半島は第二次大戦後に分断されました。日本の敗戦により、朝鮮半島は日本の植民地から解放されましたが、すぐに北は当時のソ連に、南はアメリカに事実上占領されました。その上で、南北にアメリカとソ連の息のかかった政権がそれぞれ誕生しました。ドイツでは、米ソにより東西に分断されましたが、東西両ドイツが戦火を交えることはありませんでした。ドイツ統一が比較的スムーズに進んだのは実際に戦うことがなかったこともあるでしょう。他方、朝鮮半島では同じ民族がそれぞれアメリカや中国などの外国軍隊を引き込んで、戦闘を繰り広げ、国土を焦土と化しました。三年に及んだ戦争は1953年に停戦で終結しました。朝鮮戦争は当時の自由主義陣営と共産主義陣営との冷戦構造が生み出した産物です。しかし、冷戦が終わった今も南北分断は続いています。どんな状況であれ長く続けば、いつのまにかある種の均衡状態になります。国際関係上は、南北対立も危ういながら、既にバランスになっています。
 日本にとって朝鮮半島の問題は、北朝鮮のミサイル問題と拉致問題です。正直、どちらも特効薬はありません。あれば、日本国政府はその処方箋を試しています。根本的な問題は、北朝鮮が独裁国家であることです。独裁国家は政権延命のみが国家目標になり、他国からみると非合理な選択を取ります。しかも、独裁国家は政治弾圧などによって自らの体制を守ります。キューバであれ、リビアであれ独裁国家は何十年も続いています。イラクのように外国の力が加わらない限り、経済は疲弊しても独裁体制は延命します。北朝鮮上層部の亡命と生命・財産の確保を認めてでも、独裁国家の枠組みを壊さない限り、日本にとっての朝鮮半島問題は解決しないと考えます。

« 6-1 アメリカ | トップページ | 6-3 中国  »

「経済・政治・国際」カテゴリの記事