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2007年11月27日 (火)

6-7 中東 

 日本は資源の少ない国です。エネルギーの95%くらいを海外に頼ります。その半分は石油でして、石油の9割を中東に依存しています。おおまかに言って、日本はエネルギー資源の半分を中東の石油に依存している状態です。中東は全世界で確認されている石油埋蔵量の2/3を有します。また、中東は世界的に需要の伸びが著しい天然ガスでも巨大な埋蔵量を有しています。日本で、原子力や水力がエネルギー全体に占める割合が急に増えることはないでしょうから、これからも中東へのエネルギー依存が続くでしょう。
 中東とはアラビア半島とその周辺の地域です。西アジアと北東アフリカとも言えます。資源の宝庫であるほか、イスラムと紛争のイメージが一般的でしょうか。イスラム教は7世紀に始まった宗教です。ヨーロッパが停滞する中世に、イスラム諸国は隆盛を極めました。数学、医学、哲学など学問でも当時の世界最先端に位置しました。これらの学問がヨーロッパに伝わり、ルネサンスの下地を準備し、近代が始まることつながりました。しかし、近代に入ってヨーロッパの時代が訪れるとイスラムは停滞することになります。第二次大戦後の中東は戦争や紛争が続く状態です。
 第一次から第四次までの中東戦争、イラン・イラク戦争、湾岸戦争、イラク戦争など一つの戦争や紛争が終わるたびに別の争いが始まります。最大の原因は社会が安定しておらず、外交交渉によって国際問題が解決しないからです。結果として、武力によって解決することが選択されます。そこに、宗教問題や石油資源争奪による土地問題、大国の代理戦争、オイルマネーによる武器調達の容易さなどが絡んで、戦争や紛争が多発化します。また、一度生じた争いは次の争いの火種になります。パレスチナ問題はその典型でしょう。停戦までこぎつけても、すべての人が納得するわけでなく、何かをきっかけに争いが再燃します。アラブとパレスチナのそれぞれに言い分はありますから、双方に説得的な解決策はありません。紛争のない期間を長期化させることにより、紛争の記憶を風化させ、経済成長を実現し、社会の保守化を促すといった体質改善しか対策はない気がします。
 しかし、中東の保守化は簡単には進みそうにありません。20世紀の最後の四半世紀で中東全体の人口は倍になりました。経済成長率よりも人口増加率が急激で一人当たりGDPが低下することさえありました。さらに、21世紀最初の四半世紀でもこの傾向が続いています。つまり、50年程度で人口が四倍になる計算です。また、人口増加は若年層増加と同じです。サウジアラビアなどいくつかの国では20才以下が全人口の半数を超えています。若年人口の割合が高まると社会は不安定化するとの社会学の説からすると驚異的状況です。しかも、石油ビジネスは資本集約的ですので、雇用増加を必要としません。結果として大量の若年失業者が生じることになります。中東は石油経済からの脱却と雇用増加を求めています。日本が技術移転を通じて中東経済の高付加価値化に貢献できれば、中東の安定と日本のエネルギー需要の両者にプラスになります。

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