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2007年10月26日 (金)

3−6 財政赤字

 日本の財政は危機的状況です。危機的状況といわれてから随分と時間がたちました。国が一年間で生産する富をGDPといいます。日本のGDPは約500兆円ですが、国と地方を合計した公的部門全体の借金は、その二倍の約1000兆円になります。国民一人当たりの負担も1000万円に迫る勢いです。先進各国と比較して最悪の状況です。理由は簡単でして、税金による国家収入よりも国家支出が多いからです。赤字を埋め合わせるための国債を赤字国債といいますが、この赤字国債を発行するようになってから既に40年以上がたっています。
 バブル経済が華やかだった頃は、税収も増加したので、国が借金に依存する度合いも少なくなっていました。しかし、バブルが崩壊し、税収が減った上、景気対策として公共事業を拡大したので、借金は一気に膨らむことになりました。借金してでも目の前の貧乏を乗り切ろうとする姿勢でした。経済政策としては決して誤りではありませんが、つけを将来に残すことになりますし、経済の体質改善をほったらかしにしたままでした。
 収入があって、支出をして、足りなければ借金するのですから、国もやりくりでは企業や家計と基本的に同じです。違うところは、自分のことよりも経済全体に配慮しなければならない点です。借金を返すには、収入を増やすか支出を減らすかです。企業なら売上を増やすか、リストラするかですし、家庭なら給料を増やすか、節約するかです。これ以外の方法として荒っぽいですが、借金棒引きや踏み倒しが考えられます。例えば、経営危機の企業に対して銀行が債務の免除(平たく言うと借金棒引き)をすることがあります。踏み倒しっていうのは一見難しそうですが、企業が倒産して借りた金を返さないのは踏み倒したのと同じです。歴史的には、徳政令などで借金を棒引きした例はありますが、これは経済を混乱させただけですので参考になりません。財政赤字を回復するために、国が借金棒引きや踏み倒しをするなんて、本末転倒です。基本は収入を増やすか、支出を減らすかです。
 高齢化社会が進むほど、医療や年金など福祉関係予算は膨らみます。それに応じるために、消費税を上げることは最も現実的な選択です。消費税の特徴は薄く広く税金がかかる点です。しかし、国や地方はまだまだリストラや節約が可能です。公的な予算や組織は目的が正当ならば、ずっと維持される性格のものです。結果として、誰も手を付けない聖域が生まれやすく、聖域は同時に非効率、無駄をもたらします。だから、いつでも行政改革は可能です。つねにダイエットをしないと公的機関はすぐに太ります。
 国が借金を棒引きにしたウルトラCとして、インフレによる赤字解消がありました。第二次大戦で日本は多額の戦時国債を発行しましたが、戦後のインフレにより国債は紙くずになりました。国債金利がインフレに連動しない限り、インフレは国債価値を下げるので財政赤字の回復に貢献します。しかし、これでは国を信じて国債を買った人を裏切ることになります。財政赤字解消に特効薬はありません。普段からの体質改善あるのみです。

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